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WORDS

A delusion sentence.

Like a porno star.(8059)


千切れるかの様に掴まれたブレザーの襟。
力任せに引っ張られた身体は、そのまま逆らう事無く部屋へと転がった。
細長い足で蹴り飛ばされた重たいドアが乱暴な音を立てて閉ざされ、部屋はあっという間に密室となる。
場所は音楽室。しん、と静まり返ったそこには二人きり。他愛の無い会話の最中に起きた突然の出来事に、山本は眼を白黒させた。
「山本」
床へ転がる山本を跨いだまま、上から見下ろしニヤリと意地の悪い笑みを浮かべた彼は、見せ付ける様に青いタイを解いた。それを山本の顔へとはらり、と落とす。
「なぁ山本?」
落とされたタイの隙間から見上げた彼は、顔に掛かる銀の前髪を耳にかけると、山本の腰の上に遠慮も無くゆっくりと腰を落ち着けた。肌蹴たシャツの胸元に光るネックレスのスカルが下品な笑みを浮かべている。
「びっくりした顔してどうしたんだよ?」
やけに軽薄な口調で顔を近づけた彼は、山本の口唇を一舐めすると何かに気付いた様に顔を上げた。
「…お前ちょっと固くなってんじゃん?俺まだ何もしてないぜ?どんだけ溜まってんだよ」
嘲笑う様に山本の腰に自身の腰をこすりつけて揺らすその姿に、山本は口唇を噛む。
「この変態が。俺が欲しくなったのか?」
耳元で囁くその声が山本を縛り付けて、しようと思えば出来た筈の抵抗も形勢逆転も何もかもが封じられる。項にかかる彼の吐息や間近に感じる彼の香りに淫猥な記憶を思い起こされて、山本は熱くなった息を吐いた。
「欲しいなら、欲しいって言えよホラ」
追い討ちをかける様に揺らめく腰にどうしようもなく刺激され、山本は縋る様に彼の腕を掴む。もう隠し様が無いくらいに高まった欲に眼を閉じ耐えるその顔を見て、彼は山本の耳へと舌先を滑り込ませた。
「ご、くでら…オレっ」

「俺を欲しがって、いつもみたいに奥まで貪れよ、早く」


そんな君はまるでLike a porno star.

2008/06/14 皆川(…サディスティックでエロで唐突にお誘いな獄寺(黒獄寺?)が書きたかっただけ…)