<< RETURN TO MAINMENU

WORDS

A delusion sentence.

DEFECT LOVER COMPLEX. (8059)


「愛はいらねーって言ってんだろ」
艶めく銀の髪をかき上げて、獄寺はそう言った。
「そんなモン信じれるかよ」
吐き捨てる様に零れた煙草の白煙がゆるり、と薄暗い部屋へと消えていく。

未だ全て曝け出された白い肌に、手を伸ばして触れて暴けば
呆気無い程に容易く堕ちて来ると言うのに、獄寺はベッドでは決まってそう言った。
「お前は格好つけたいだけなんだって」
尾を引く淫猥な空気と、拒絶にも似たその言葉に手を伸ばして骨ばった身体を抱き締める。
項に顔を埋めて熱くなりかけた吐息を零すと、獄寺は持っていた煙草を灰皿へと落とした。
「愛なんて結局、セックスの理由にしかなんねーんだ」
そう言う獄寺の淋しそうな口唇が、山本は大好きだった。

「愛してるよ、獄寺」

2010/03/26 皆川(2008年の山獄オンリーサークルチケットにURL記載していた秘密小話でした)