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WORDS

A delusion sentence.

Log: 01/Jan 「駆り立てる、あの戦場へ」←→「柔らかな侵略」


風に煽られた銀の髪から微かに香る火薬の香り。それが鼻に付いた途端に右手が鈍く疼いた。
場所は学校。時間は昼下がり。煙草の煙が昇る澄んだ青空。誰もいない屋上での長閑な時間。
当然ながら何も持たない手に甦るは、金属のずしりとした感覚に風を切る感触。
余りにも鮮明なそれを感じ眼を見開いた俺を見て、獄寺は綺麗に笑った。

「変態」

無防備に晒された首元にだらしなく掛かるブルーのタイを掴んで引き寄せた俺の右手は震えていた。


お前の全てが、俺を戦場に駆り立てる。
合わせた口唇から心地良い空気が、当たり前の世界が零れ落ちた。

2008/03/09 皆川(加筆修正済み)