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WORDS

A delusion sentence.

Log: 02/Jan 「駆り立てる、あの戦場へ」←→「柔らかな侵略」


へらりと締まりの無い笑顔。中身の無い下らない話。不意に近付く距離に、響く声。かかる吐息。

奥底からこみ上げる熱をどうしようもなくて、手を上げて触れた奴の頬の体温は高かった。
「ごくでらのて、つめたくてきもちいい」
そのまま顔を寄せ、視線を合わせ、口唇を重ねる。
ゆるやかに軋む身体。思わず晒した喉元へと走った微かな痛みに、目尻から涙が零れた。
感じる体温は焼かれそうな程熱くて堪らないのに、これを感じると安堵するのは何故だろうか。


配慮の欠片も無い自分勝手で柔らかな侵略が、俺を戦場から遠ざける。
お前に近付く度に、俺は戦場から

―遠ざかっていく。

2008/03/26 皆川(加筆修正済み)