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WORDS

A delusion sentence.

Log: 07/Jun 「消えゆく夢」


「お前の、夢を見たよ」
ぽつりとそう言われて、山本はゆるりとその声の主を見た。
「お前の、夢」
眉を歪めて、少し諦めた様に笑う彼―獄寺が繰り返す。
どんな夢、と聞けずにただ立ち尽くす山本から視線を外すと、獄寺は遠くの空に視線を投げやった。

「あの頃は、楽しかったよな…」

過去に想いを馳せるその姿が居た堪れなくて、山本は骨ばった背中をゆるく抱き締めた。
『あの頃』とは違う、正面から力いっぱい抱き締めてやる事の出来ない自分も
微動だにしないその冷たい背中も、酷く切なかった。

蘇る幼い記憶を辿っても、何処にも行けやしないのに。

2008/08/27 皆川(やっぱり24プラトニック萌え〜(*´∀`*))